2019 グランレイドレユニオン オフィシャル参加ツアー 大庭様 参戦記 その5 FINISH~「真の愚か者」になる


2019 グランレイドレユニオン・オフィシャルツアーに参加された大庭さんの参戦記もいよいよクライマックスです!
Diagonale des Fous「愚か者の対角線」100マイルを完走して「真の愚か者」の称号を手に入れることが出来るのか!?





 【Grand Raid  Réunion2019 「真の愚か者」になる、100マイルの旅 その⑤】

◆Ilet Savannah〜La Possession143.4km◆

エイドを出発してGalets川を渡り対岸の段丘を登る。回復していたお腹の調子がまた怪しくなる。油断して胃腸薬を飲むのを忘れていた。
住宅地の中を進むと、家の前で応援してくれている家族がいた。「アレ!ジャポネ!」とともに、日本語で「こんにちは、ありがとう」と声をかけてくれる。
美しいマダムがビストロの前菜盛り合わせ的なお皿を差し出してくれる。
オムレツを摘んだらとても美味しくて、「メルシー、ありがとう、セボン、美味しい」とお礼を言ったら、家族みんなが喜んで見送ってくれた。
住宅地とサトウキビ畑を抜けるとトレイルに入る。ロープと木の幹を伝って進むような得意なルートになり、スピードアップして前を行くランナーをどんどんかわして行く。
Chemin Ratinaudエイド過ぎると、木の根が多い苦手なルートに変わり、今度はさっき抜かした人数ぐらいに抜き返されて、その先の下りでもたくさんのランナーに抜かれて、最後の大エイドLa Possessionに到着(1387位/2800)。

Ile Savanahエイドのボラの皆さんと
ゴールまであと20キロと少し。Raidersの私設エイドに入り、ゴール着用義務のTシャツに着替えて、チキンの煮込みとライスをしっかりと補給。久保さんが用意していてくれた麦茶が美味しい。


◆La Possession〜Saint-Denis La Redoute 166kmゴール!◆

3度目の夜を迎えて、ここからは睡魔との闘いでもあった。エイドを出発して町中を進むと、フランソワ・デンヌ選手が泣いたという火山岩の石畳の道が続く「Chemin des Anglais」の登りが始まる。
トップ選手はここを灼熱の時間帯に進むが、私は1日遅れの夜にようやく到達。 夜の風は涼しく暑さには苦しめられなかったが、真っ暗闇の足元にひたすら石畳が続く。
石畳に日本語の文字やパラグライダーのイラストが現れ始める。昨年UTMBをゴールしてホテルに戻りバスルームの床のタイルにびっしりと日本語の落書きがしてあると本気で思っていたのと同じ症状が現れてきた。
150キロ進んで脳もかなり疲労してきたのか。時々沢を渡り、もう石畳は終わりかと思うと、また石畳が現れる。
登り切ってからの下りの石畳はさらに歩きにくい。
そんなところでも、後ろからピョンピョンと上手に石畳を渡り走って抜いて行くランナーがいる。闇夜の石畳修行を終えGrande Chailoupeエイドへ。ゴールまであと13〜14キロ。ベッドが空いていたが、ここで寝るよりゴールしてゆっくり寝たいと思い、フルーツを食べて出発。登り始めると、なんとまた石畳の道だ。かなりのトホホ感。
128キロ以降の終盤はartificialな試練が続き、それまでとは別のレースが始まったようだった。ザックに歯ブラシが入っていることを思い出し、眠気覚ましに歯磨きしながら歩いてみる。少し気分転換になったけど、眠気覚ましへの効果は限定的であった。石畳の登りを終えると、ロードや村を抜けて行く。
同じような村の中を何度か抜け、眠さでかなり減速してきた午前1時半ごろ、絶妙のタイミングで優しいマダムがポットを持って道路の真ん中に立っていた。暖かいコーヒーをすすめてくれて、ありがたくいただく。
少し進むとカフェインが効いてきたのかスピードが復活。ゴールまであと7キロのチェックポイントを過ぎ、ほぼ最後の登りで元気が湧いて来た。
広々とした原っぱに出ると最終エイドのLe Coloradoに到着。あとはゴールまで4キロ降るだけ。下りで大ゴケして怪我でもしない限り、ゴールは間違いない。もう脚を温存する必要も無い。
「パルドン!メルシー!」と声をかけながら、前を行くランナーを40人ぐらい追い越し下り切ると、久保さんが待っていてくれた。そこからゴールまでの数百メートルを久保さんと一緒に走る。ゴール近くには午前4時だと言うのに、ツアーメンバーの山谷さんと中島さんがホテルから駆けつけてくれていた。

本当にありがたい。競技場のトラックに入りゴールゲートをくぐって、「真の愚か者」の称号を手に入れるための54時間10分の旅が終わった。


3日間ほぼ不眠不休でサポートしてくださったFields on earth フィールズ・オン・アースの久保 信人 (Nobuhito Kubo)さん、たくさんの応援とサポートで力と勇気と楽しさをくれたレユニオン島の人たち、楽しい時間を一緒に過ごしたツアーメンバーのみなさん、100マイル完走に向けて講習会などで貴重なレクチャーやアドバイスをいただいたアスリートの方々、本当にありがとうございました!そして、今年も海外レースに送り出してくれた妻と息子にスペシャル大感謝です。(終わり)

ゴールで栄光の「真の愚か者」の称号を手に入れた!!

表彰セレモニーの後は、クレオール料理の打ち上げパーティー!!
※長文で失礼しました!やっとSaint-Denisのゴールに到達しました。

【Back Number グランレイドレユニオン参戦記】
その1
その2
その3

その4
その5 FINISH~「真の愚か者」になる
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Staff Comment
 大庭様

遂に栄光のゴール!「真の愚か者」の称号獲得、おめでとうございます!
日本の真裏に位置するようなここレユニオン島で最も誇れる称号を手に入れました。

本当に素晴らしいです! 
そして臨場感あふれるレポートをご提供いただき、心よりお祈り申し上げます。
レユニオンは確かに日本からアクセスも悪く、一般の観光客も日本人は殆ど見かけません。
ですが、それだけに一度は足を運んでみてほしい魅力あふれる島です。

大庭様のレポートを見て、きっとこの「愚かな旅」に挑戦したいと思うランナーさんが沢山おられることでしょう。
次は「真の山男」の称号を目指して「アンドラウルトラトレイル」挑戦ですね!

UTMB,レユニオン、アンドラウルトラトレイルの3レースは、「世界の100マイルBig3」と呼べる名レースです。
この三つを制覇されましたら、まさしく「ウルトラトレイルマスター」と言えるでしょう!

これからも大庭様のチャレンジを応援しています!

レポート本当にありがとうございました!

フィールズオンアース一同

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