グランレイドレユニオン ディアゴナルデフー スタッフ参戦記 愚か者への道 ②スタート~Cilaos


 グランレイドレユニオン ディアゴナルデフー スタッフ参戦記 愚か者への道 ②スタート~Cilaos

スタート地点のSaint Pierreから約40kmはひたすら上り基調のコースとなる。
大観衆の応援がすさまじい海沿いの平坦をしばらく進むと、徐々に山に向かってロードの峠を登り始める。
最初のチェックポイントのBassin Plat7kmまではほぼロードで、ここから林道的なトレイルに入り始める。

走るか歩くか迷う感じの緩斜面。レユニオンの選手や欧米選手は息を切らせて前を急ぐが、ここでつられてはいけない。
私も今までに経験ないほどに抑えて進んでいたが、女子トップランナーの丹羽さんに追いついてしまう。

その時点で私にとってはオーバーペースという事。 最終的に丹羽さんは総合でも60位台でゴールしているため、この時点で約220位前後、つまり丹羽さんより前にいた約160名の男子選手はオーバーペースだったことになる。



ディアゴナルデフーは参加者が約2600名いるため、前半は特にランナーの隊列が途切れることなく続いている。
その為、どうしてもオーバーペースになりがち。

特に欧米のランナーや、地元レユニオンのランナーは前半突っ込むので、女性ランナーをペースメーカーにした方が賢明だ。
男性ランナーは闘争心が強すぎて、ペースメーカーに後ろにつくと振り切ろうとペースを上げてきたり、共倒れするリスクが高い。
25km地点のNotre dame de la Paix手前は緩やかに見えるが実は非常に細かいのこぎりの歯のようなアップダウンが続き、日本の里山トレイルのようなルート。木の根っこや半分やぶ漕ぎのような細い土のトレイルが続き、一定のリズムで走りづらくアベレージスピードは上がらない。
もし雨天の場合は相当ズルズルのスリッピーなどロトレイル必至なので、転倒などにも注意したい。








【レユニオンは日本同様にストック使用禁止】

レユニオンのレースは日本同様に非常に脆弱な土のトレイルの為、ストックの使用が全面的に禁止されている。
100マイルレースでのストック無しは、かなりの不安要素ではあるが、実際走ってみて非常に納得する。 プロフィールには表れない非常に細かいアップダウンと細いシングルトラックが多く、ストックは返って扱いづらい印象を受けた。

しかし、2本足か4本足かで後半の疲労度は大きく異なるので、レユニオン対策にはストック無しでのトレーニングが必需だろう。

【処理に困ってしまう着用義務の大会Tシャツ】


レユニオンではスタート時とゴール時に大会参加賞のTシャツの着用が義務付けられている。大会スポンサーの為にそうなっているのだが、この処理が意外と厄介である。 レユニオンは低地では気温が高く暑いため、自分のウェアの上に大会Tシャツを着なくてはいけないのだが、これがなかなか熱い。

トップ選手はスタートから数㎞で脱いで観客にプレゼントしたり、サポートスタッフに渡したりできるが、一般ランナーの多くは76kmのCilaosまで真面目に着ていく選手も多い。 
スタート後20~45kmのエリアは非常に冷え込むので、そのまま着ていくのも問題ないが、最初の5kmで汗びっしょりになってしまうので、汗冷えには気を付けたい。

Cilaos以降はかなり暑くなるので、Cilaosのドロップバックに預けるのも手だが、その場合は126km地点のSans Souciの2個目のドロップバックには絶対に2枚目のTシャツを入れる必要がある。
ゴールで着用していないとペナルティタイムが加算されると言われているので、気を付けたい。
というか着ないでゴールする選手はほぼ見受けられなかった。

【現地有志の私設エイドを利用】

私は今回、レユニオンの友人に紹介していただいた、軍隊と警察のボランティアが行う私設エイド5か所のサポートを使わせてもらった。
これは非常に助かった。 私設エイドは51kmのMare a Boue, 76km Cilaos, 90kmSentier Scout,126km Sans Souci, 146km Possesionに設置されており、各所に簡易ベットや看護師、整体師などがスタンバイし、温かいスープやフルーツ、いろいろな補給食を用意してくれており非常に手厚いサポートを受けることが出来た。 これは現地に知り合いなどサポートしてくれる人がいないランナーにとっては本当に支えになった。

2018年のフィールズオンアースのツアーでは、先着10名様にこの現地私設エイド5か所のサポートをご案内予定。
はるばる遠くから参加して過酷なレースを完走するには非常に心強いさサポートとなるだろう。

私は76kmのCilaosで急激な対象不良に陥り、リタイヤ寸前まで追い込まれたのだが、ここで看病してくれたドクターのおかげで大復活し、完走できた。
本当に感謝してもしきれない。



【突然やってきた前半の体調不良】

私は51kmのMare a Boueのエイドまでは非常に順調だった。足の疲労感も少なく、計画通りに進んでいた。Mare a Boueでは緑のたぬきそばを食べ、温かい紅茶を飲んだり、塩分の補給とハンガーノックにならないように結構しっかり補給したように記憶している。

計画より30分ぐらい早く進んでおり、後半を考えて15分ぐらいはゆっくり補給した。
エイドの出口に仮設トイレが用意されていたので、焦らずゆっくりトイレも済ませた。

スタートするころに夜が明け初め周囲が明るくなってきた。ここは非常に冷え込むと言われていたが、今年は例年に比べかなり暖かかった。
アームウォーマーだけで大丈夫そうだったので、その装備で進み始めた。ここからはあまり大きな高低差はないもののひたすら細かいアップダウンと大きな岩がごろごろしていて走れそうで走れないセクションが続く。 岩がないところは丸太が敷き詰められた木道になっているのだが、これがまた走りづらい。 雨天で泥沼になってしまうところに丸太を敷き詰めて泥沼化を回避できるように作られたものだと思われるが、今日のようにドライな日には木道は返ってかなり走りづらい。日本の木道のように平らにされた板ではなく、切りっぱなしの丸太なので、一本一本いびつな形でぼこぼこなのだ。

日が昇るとどんどん熱くなり、気温が上昇した。体も良く動き、どんどん抜かし始めた。しかしそれが良くなかった。
65kmくらいで急に体が動かなくなりはじめ、ペースを落とす。手がしびれてきてハンガーノックの気配が出てくる。まずい。
こんなに早く、グロッキーになるなんて完全に想定外。体調は急激に悪化し、コース路肩に座り込んだ。

気持ち悪い。急に吐き気が催し、早くもジェルが食べれなくなってしまった。ちょっと歩いては止まり、歩いては止まりを繰り返す。
次のエイドはCilaos 76km。あともう少し行けば下るだけなはず。何とか進み、Cilaosへの約4kmの下りに入った。
一歩二歩三歩、急な階段を下ると、突然吐いた。 しばらくしゃがみ込み、また数歩進むとまた吐いた。手がびりびりしびれ、頭がくらくらして歩くこともままならない。 やばい、どうしよう。リタイヤが頭をよぎる。

このたった3kmの下りに約1時間半の時間がかかった。急な下りを下りきったところにある小エイドMare a Josephで私は倒れこんでしばらく動けなかった。コーラだけを倒れたままちびちび飲んで何とか糖分と水分を補給した。

Mare a JosephからCilaosはロードの下り貴重でたった4.4kmだった。でもなかなか進めなかった。ここで立て直さなければ完走は不可能だ。
約20分このエイドで止まり、約200人に抜かされ、トボトボと歩いてCilaosを目指した。

気温がぐんぐん上昇し快晴の青空が広がり、この先の極暑を予感させる天気になっていた。
Cilaosのエイドの手前ではジャンベのリズムで激しく踊るレユニオンの女性がダンスで歓迎してくれたが、ボロボログロッキーの自分にとっては、ちょっとほっておいてほしい感じだったが、作り笑顔で感謝しつつやっとの思いでエイドインした。

ドロップバックで必要なものを回収し、いらないものを預けた。すでに非常に暑く不要な防寒着はドロップバックに預け軽量化した。
ジェルはすでにほとんど食べられなさそうだったので、ジェルもドロップバックへ戻した。

献身的にサポートしてくれる私設エイドに転がり込み、ドクターがいらしたので状態を説明し、胃薬をもらい飲んだ。
もうここでしっかり回復するまで休もう。そう決めていた。すでにかなり暑く、水のシャワーを全身で浴びてすっきりする。胃の調子が悪くトイレに駆け込み用を足す。なかなか食べれるようにならず、きつねうどんにお湯を入れてもらい、ちょっとずつすする。

救護所の簡易ベットで1時間以上横になって休んだ。
完走できるのだろうか。。  レユニオン出発前に息子がフラスクに書いてくれた「パパがんばれ」の文字をじっと見つめながら、回復を待つ辛い時間だった。果たしてこの先どうなるだろう。。。。

…つづく



















海外トレイルラン・サイクリングの専門店 フィールズオンアース
フィールズ・オン・アース

  • グランレイドレユニオン
  • ディアゴナル・デ・フー
  • ウルトラトレイル
  • 100マイル
  • UTMB
  • UTMF
  • STY